
こんなご時世ということもあり、「(外出は控えて)家にいよう」という意味で、stay homeとstay at homeという表現をよく目耳にするけど、どう違うの?
以下の2つのセンテンスの意味の違いはわかりますか?
- We have to stay home at least for a week or two.
- We have to stay at home at least for a week or two

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そう、どちらも意味は「我々は少なくとも後1〜2週間は家にいなくてはならない」ですね。
2つの違いは“at”があるかないかだけ。
しかし stay の使い方としては文法的に“どちらの文もOK”ということになります。
しかし、ネイティブスピーカーはこの2つの文を目耳にした時は微妙なニュアンスの差を感じます。
この際ですから、もうちょっと踏み込んでそのニュアンスの違いを学んでみましょう。
そんな説明はいいから早くstay homeとstay at homeの違いはなんなん?という人はここをクリックしてジャンプして下さいね。
ただ動詞の2つの用法(自動詞・他動詞)の違いを知っていることは英語を理解する上で基本中の基本ですので、少しだけ時間があるなら以下を読んでいただければと思います。
Contents
動詞には大きく分けて2種類あるよ

stayの説明に入る前にまずは「自動詞と他動詞とはなんぞや?」という方の為に簡単にそれぞれ説明します。
他動詞とは?
他動詞とは動詞の後に目的語(名詞)がある型です。動詞が対象物(物)に(直接)影響を及ぼすイメージです。
他動詞の例文
He loves his wife. (彼は妻を愛しています)
He(主語:S)loves(動詞:V)his wife(目的語:O)
My grandfather walks his dog every day.(祖父は毎日犬を散歩させます)
My grandfather (主語:S)walks(動詞:V)his dog(目的語:O)every day(述語)
他動詞の使い方理解できましたか?
今回は自動詞としてのstayの説明ですので、他動詞の説明は以上です。
自動詞とは?
※自動詞の例文
- He can run so fast.(彼はすごく速く走れます)
- My sister is working in Malaysia at present.(私の妹は現在マレーシアで働いています)
上記 1 の例文の動詞の run は後ろのso fastがあってもなくても成立する文だということはわかりますか?
文(センテンス)とは必ず「S 主語」と「V 動詞」があることが条件です。
He runs.(彼は走る)でも立派な文(He[S]+ runs[V])として成立しますね?
これが自動詞の役割です。目的語がなくてもセンテンス(主語+動詞)として成立する。
ですので、上記1の文を He can run.(彼は走ることができる)としても文法的には全然OKということになります。
しかしこの話者が感情としてso fast「すごく速いんだよ!」と強調したいから run の後ろに副詞としてあえて付け加えたにすぎないわけです。
少々乱暴かもしれませんが副詞は飾りみたいなもので、動詞を強調したい時にくっつけるものと覚えておいても大丈夫です。
自動詞にくっつく前置詞
では例文2はどうでしょうか?
ここでの work (働く)は自動詞ですので、これだけで My sister(S)+
is working(V)で終わっても良いですよね?文として成り立っています。
しかしそれだと「私の妹は働いています」というただの現在進行形です。
しかし(私の妹は)“マレーシアで働いている”と言いたいので、work に場所の“in”を付けて“working in Malaysia”という形にしているわけです。
自動詞の後ろに前置詞をつけることによって、動詞による動作が「何に対して・どのようになされるのか」を示すことができます。
自動詞と前置詞がコンビとして使われる形であり、非常に多くあるケースです。
I’m looking for my wallet.(財布を探しています)
He finally found out the problem that the company had.(彼はその企業が抱えていた問題をついに見つけ出した)
自動詞の“stay”
自動詞の stay =「滞在する、とどまる、〜のままでいる」
みなさんが知っている “stay” はほとんどこの意味だと思います。よって自動詞と思います。
ですので、上記の2つの例文はどちらも目的語を取らない自動詞のstayだということですね。

えっちょっとまってよ、1 の例文の”stay” の直後の “home” は名詞なんじゃないの?
名詞だと stay の目的語になる訳だから、この “stay” は自動詞ではなくて直接に目的語を取る他動詞じゃないの??
しかし、ここでの home は名詞の「自宅」ではなく、副詞の home(自宅へ[に][で])ですので、この “stay” は自動詞なんです。
よって上記の2つの文で使われている stay はどちらも自動詞です。『滞在する、とどまる、〜のままでいる』という意味ですね。
同じくhome の副詞用法として
go home.(家に帰る)
come home.(家に帰る)
on my way home(家に帰る途中で)
I’m home.(帰ったよ)
なども同様です。
他動詞の“stay”
一方 stay は他動詞用法も存在しますが、あまり馴染みはないと思います。
stay someone’s hand(〜を食い止める、止める)
stay a punishment(刑の執行を猶予する)
stay the course(最後まで頑張る、完走する)
stay home と stay at home の微妙な違い
自動詞とは動詞の直後に目的語を取らない形でしたよね。ここでいえば stay が動詞(V)です。
“Do you want to go with us to a restaurant tonight?”
今夜一緒にレストラン行かない?
これに対しての返答が「いやっやめとく、家にいるわ」だと
“No, I think I’ll stay home.”
“No, I think I’ll stay at home.”
の2通りありますが、どちらも文法的にはOKです。
本記事の冒頭の2つの文と同じですね。
しかし、以下の場合は “stay” に “at” が付くか付かないかで話が違ってきます。
“Are you going to get a hotel room for the conference?”
(会議に参加する時の宿泊)はホテルを取るの?
これに対する返答で
“No, I’m going to stay at home.”(いやっ家に泊まるわ)“No, I’m going to stay home.”
“stay at”のみになります。なぜならこのケースだと質問者が「どこに泊まるの?」という「場所」を聞いているからです。答えはホテルや友達の家だったり「場所」ですね。
そうした直接に “stay”する「場所」を強調したい場合は前置詞“at”は欠かせないということです。
イメージとしては、この会話をしている時はまだ家にはいないわけで、これからhomeに行くのですから、この at は「家に向かう=at」のイメージなのですね。
まとめ:ネイティブは“違い”を感じる
stay homeとstay at homeはどちらも文法的には正しいが、ちょっとしたニュアンスの違いはあるということ
最後になりますが、参考までにネイティブは基本的にはこの2つの違いを感じるそうです。
stay home=アメリカ英語
stay at home=イギリス英語
ザックリとこんな感じらしいです。
特に”stay homeは米国っぽい”と知り合いの英国人は話してくれました。
いかがでしたか?stay homeとstay at homeの違い理解できましたか?
どちらも基本的には同じ意味でしたが、細かく見ていくと意外な発見もあったかと思います。
この他にも「知ってそうで意外と知らない英語の用法」もまとめていますので、よろしければどーぞ😀
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