本記事はTOEICのリーディングパート(Part 5,6,7)のうち、特に文法力が問われる 穴埋め問題のPart 5について、押さえておくべきポイントとおすすめの書籍を紹介していきます。
Part 6, 7に関しては別記事にしましたので、別途ご参照をよろしくお願いします。
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Contents
文法編(中学英語+αさえ抑えれば大丈夫!)
ほとんどの受験者は最後までたどり着けない?

TOEICは時間の感覚がおかしいのでは?と感じることがよくありますが、気のせいです。
TOEICはとにかく時間との戦いです。
リスニンングの音声は1回流れるだけでどんどん進んでいきます。
同様に文法、語彙問題である Part 5、6でも基本的には英文を頭からどんどん読んで、サクサクと解答して進んでいかなければなりません。
TOEICのリーディングパートは Part 5, 6, 7 から構成されており、制限時間は75分です。
その中で “Part 5″と”Part 6” の一部が直接に文法と語彙力が問われるパートです。
その後にひかえる Part 7での大量のリーディング問題で十分に時間を残して置かなければならないことを考えると、この ” Part 5 , 6″ で足を引っ張られることなく、スピーディーに解答していく必要があります。
解答に費やせる時間は、Part 5は約14分、そして文が少し長い Part 6は約6分と合わせて約20分が目安といったところです。
20分と言われてもそれが長いのか短いのか分からないって?
確かにそうですね。でも一般的にいって「かなり短い」と感じている受験者がほとんどです。
1問20秒で解く練習を
この条件をクリアするには、単純計算して、「1問20秒前後」で解答しなければならないことになります。
実際には10秒以下で解ける問題もいくつかあり、逆に30秒近く掛かる問題もありますが、全体の平均ということで考えてください。
実際にやってみれば分かりますがかなり短いと思います。
ですので、TOEICの問題に取り組む際は日頃からストップウォッチなどを使うことをお勧めします。
まるでボクサーの1ラウンド3分が体に染み込んでいるかの如く、「1問20秒」を身体になじませておくことが重要です(割とマジに)。
経験された方はご存知だと思いますが、この「1問20秒」という時間はTOEICで問われる文法知識や語彙力がなければ結構難度が高めですよね。
実際、Part 7の読解問題は時間を掛ければ解ける問題が多いことから Part 5,6で分からない問題に対しては時間を掛けずにマークし、素早く次の問題に移ることを心掛けることが大事です。
よって、とにかく両パートを20分以内に終わらせて、Part 7に時間を残す方が戦略としては正しいということになります。
しかし、そのようなスピードに慣れておくことを含め、出題ポイントを押さえておくだけでも得点が稼げるのも事実です。ある意味対策が立てやすく、得点源となるパートとも言えます。
当然ですが、他のパートでも文法や語彙力は重要な要素の1つであることには変わりありませので、この Part5,6の学習をしっかりと行うことによって他のパートにも良い影響をもたらすことにつながります。
こうしたことからも、まずは Part 5 , 6からTOEIC学習を始めるのも良いと思います。
TOEICの文法レベルは?

では、TOEICで試される文法はどの程度だと思いますか?
おおよそ、中学3年間+一部の高校レベルです。
しかし高校レベルといっても、仮定法(仮定法現在、過去、過去完了)と関係代名詞と比較級、そして分詞構文の一部程度です。
なので文法嫌いでも大丈夫です!そんなに難しくありません。
まずは中学英語を完璧にしよう!
中学は義務教育です。この国に住む人々が等しく受けるべき最低限の内容であるということを忘れてはいけません。
決して特別な才能が必要であったり、重箱の隅をつつくような事柄が問われる訳では無いの安心して下さい。
ただし、実際のTOEICの問題を見ると「本当に中学の文法なの?」と多くの方が思うでしょう。なぜ難しく感じるのか?
それは、文法そのものは例え中学レベルであってもTOEICの問題の内容がビジネス寄りである為使われている語彙が幅広く、それが難しく感じる要因です。
よって必然的にTOEICの内容も難しく感じてしまうという訳です。
例えば以下の様なTOEICのパート5の問題を見てみましょう。
(問)
Employees at Ashley Motortech are required to clean the counters carefully before——- food or drinks.
- advising
- preparing
- anticipating
- participating
(訳)Ashley Motortechの従業員は、食べ物や飲み物を準備する前に丁寧にテーブルを拭かなければいけません。
正解は(B)のpreparingですが、選択肢は全て動詞のing形で「~すること」を意味する「動名詞」です。
動名詞は中2で習いますが選択肢のAからDまで全て動名詞なので、これは単語力が問われている問題だということがわかります。
空欄のうしろには”food or drinks”という目的語がありますので、空欄前にある主節の意味から考えると、prepare「…を準備する」の~ing形である、preparingが一番ふさわしいということになります。
空欄以外も中学レベルの文法を理解していれば、決して難解な文ではないと思います。
しかし、語彙に注目すると確かにbe required to do(…しなければならない)のイディオムは中学生には少しレベルが高いかもしれませんが、be動詞+過去分詞の形である「受動態」は中学3年生で習います。
よってこのイディオムを知らなくても、require=「~を必要とする」と「受動態」の仕組みを知っていれば、このイディオムを知らなくても容易に意味は取れるはずです。
このように、TOEICで出題される文法の内容自体は決して難解なものではないにも関わらず、多くの場合、その内容と語彙(単語、熟語)によって難しく感じるのです。
英語文法の土台作りをしよう

英語嫌いの特徴として「文法がわからないのでキライ」というのが、圧倒的に多いことは想像に難しくないと思います。
僕もその1人でしたし、今では生徒に教える必要もありますので、きちんと説明できるよう心がけていますが、今でもTOEICなどとはあまり関係ない、細かく高度な文法の談義(討論?になると、正直あまりワクワクはしません(笑)。
しかしTOEICでハイスコアを取るには「文法オタク」になる必要はまったく無いことは、僕自身が990点を何度も取得したことにより証明されており、文法嫌いでも心配無用なのがTOEICというテストです。
しかし繰り返しになりますが、少なくとも中学3年間で学習する全ての文法事項だけは完璧に仕上げておくことが特にハイスコアを狙っていく上では必須と言えます。
中学英語に自身が持てない人におすすめテキスト
特にTOEICを始めたばかりで600点未満の方はこの「中学英語」を再度おさらいしておくことを強くおすすめします。
以前は中学英語というと本当に中学生が行う「ドリル」的なものが多く、大人のやり直し英語に最適なものがなかなか見つかりませんでした。
しかし近年は本当に大人が使うのに耐えうる内容のものが豊富に出てきたことはうれしいことです。その中でも特におすすめなのが【「話せる」ための音声(MP3)DLプレゼント付】 Mr. Evine の中学英文法を修了するドリル (Mr. Evine シリーズ)です。
インプットだけでなく、学んだことをすぐにアウトプット出来るようにドリル形式となっているので、退屈することなくどんどんと進めて行くことが出来ます。
これで勉強をした文法嫌いの方も「学生時代にこんなテキストに出会っていればなー」と言った声もよく聞きます。
ボリュームもちょうど良い感じで、1日1項目を学習して、全てを約1ヶ月で終了することが出来ます。是非2〜3週はやってみてください。必ずやる価値のあるものだと英語教材ソムリエとして保証します👍
文法が好きになる文法書
文法書は最初から読むものではありません。辞書と一緒で必ず1冊は机に置いておき、学習の最中、わからない箇所に遭遇した際に、その都度辞書のように調べるクセを日頃からつけておくことが、非常に重要となります。
でも英語嫌いにとって「文法書」と聞くだけで「ハイもう無理っ」と反応する人もかなり多いのでは無いでしょうか?
そんな人に激しくお勧めしたいのが一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法です。
「一億人の英文法」は文法書というよりも、文法を面白く解説している英語本といった感じなので、読み物としても秀逸な出来の一冊です。
これは自然でリアルな例文と共にポップなイラストが豊富なことによる効果だと思います。
そしてなんといってもすごいのは、一般的な文法書にありがちな、専門用語(文法用語)の多用から生じる「堅苦しさ」を排除することに成功している稀有な一冊です。超お勧めです。
定番の文法書も一冊は手元に
そして定番の1冊と言われる物も是非持っておいて欲しいです。
文法書はこれと「一億人の英文法」の2冊あれば事足ります。
受験生を含め英語学習者全般から広い支持を受けている総合英語Forest 7th Edition です。「一億人の〜」と同様にTOEICにお勧め出来る1冊です。
カラフルなイラストを多用するなど、所々に読者を飽きさせない工夫が散りばめられていておりフォントも読みやすく、初学者にとっても優しい一冊であることは一見しただけで分かります。
例文も実際に生活の場面で使われそうな物ばかりですので、例えば気に入った例文を書き取ってみたり、声に出して読んだりすることによってその文法を頭ではなく、身体で覚えることで本当の意味で自分のものにすることができます。
TOEICにはもちろん、英会話にも役立ちます。これらの要因が長きに渡ってベストセラー文法書となっている大きな理由だと思います。
TOEICに特化した問題を手っ取り早く学ぶ

リスニングが終わり、リーディングセクションはPart5から始まりますが、ここは最もスコアが取りやすいパートでもあります。
よって、ここでスピーディーに解答していくことが、最後に大量の英文を読まなければならないPart7に時間を残すことが出来るかのカギとなります。
そこで新TOEIC TEST パート5 特急 400問ドリルを使って集中的にこのパートの傾向と対策をしましょう。
この特急シリーズは一冊ごとに各パートに特化した大変な良書であり、本番に即したリアルな問題ばかりを厳選しています。
全400問とたっぷりのボリュームですので、Part5の様々なパターンの問題を解くことができます。
さらに価格も手頃ですので、全てのパートを揃えてもコスパはかなり良いです。
そして特に600点近辺の方にお勧めしたいのが『改訂版TOEIC TEST英文法出るとこだけ!』(アルク)です。
これは非常にコンパクトに頻出問題を凝縮して解説してくれているので、得点を稼げる Part 5と6を重点的に勉強したい方々に是非おすすめの教材です。
600点を超えたらこれ!
次は少しレベルが上の人に向けての最適な一冊です。
本番そっくりな文法問題だけを体系的に、しかもわかりやすく説明することを念頭に置いたTOEIC(R)テスト英文法 プラチナ講義 です。
これは実践的な問題集なのですが、説明が大変丁寧であり、TOEIC専門の文法書としても一面もあります。
効率良くTOEICの文法が学べる大変使える1冊です。
一見すると、初心者〜中級者向けに見えますが、中には800~900点レベルのものも幾つかあり、すでにハイスコアを持っている学習者も一回は目を通すことによって、分かったつもりでいた文法関連の穴を見つけるには最適です。
そして問題文と例文には音声も付いているので「音読」をするのにも持ってこいです。文法でも「音読」これが今の英語学習のトレンドです。
本番形式の模試でリアルな問題に慣れておく
コンスタントに600点を超えることが出来るようになったら、中学レベルは卒業ですので、徐々にTOEIC本番を意識したリアルな形式の教材を増やしていくことをおすすめします。
近年は本番を意識した模試が増えておりますが、中には「本当にTOEICに詳しい著者なのか?」と勘ぐるほど質が低いものも見受けられます。購入する際は注意が必要です。
新形式問題対応】TOEIC(R) L & R テスト 究極のゼミ Part 5 & 6 はTOEICを長年研究している著者が、厳選された本番そっくりの問題をゼミ形式で丁寧に解説するスタイルですので分からない問題があっても「置いてけぼり」感がありません。
本番対策は公式問題集を優先的にやるべきですが、こうしたTOEIC専任講師のものはかなり細かく分析しており、短期でスコアアップを狙う方には絶対に外せないものとなります。
900点狙うならこれ!
個人的には一度TOEICをやろうと決めたら、是非900点は目指して欲しいと思っています。
なぜなら近年のTOEIC関連の教材は良質なものが増えたため、以前に比べてピンポイントで対策がしやすくなったからです。
よって一定期間しっかりとそのような教材を使って学習することで、誰でも900点は可能だと思っています。
さらに上を目指すなら・・
初心者の方がTOEICを受験することを決心して、最初から満点である990点を狙っていく人はあまりいないと思います。
就職や転職の際でも990点が条件の職業はほとんどないでしょう。せいぜい950点程度が上限であり、スコア以上にその業務の専門スキルや経験の方が何倍も大事だったりします。
そんなことは百も承知で「それでも満点を取りたい」と情熱を燃やす人も結構います。もちろん自分もそんな一人でした(笑)
ここまでくるとTOEICマニアですね・・😅
僕の場合は、何回も何回もTOEICを受験をし続けて、ようやく900点を超えるようになってから不意に「ここまで頑張ったんだから990点を目指してみようかな?」と頭をよぎり、それがいつの間にか「絶対に990点」という具合にTOEICの沼にハマっていきました(笑)
そんなTOEIC沼にハマった人々向けのマニアックな攻略本もあります。
TOEIC L&Rテスト990点攻略 改訂版: 新形式問題対応
まだ900点に満たない場合は手を出すべきではありませんが、900点を超えて「さらに上に行きたい!」と思う方に向けてこれ以上の攻略本は現在ないかもしれないくらいにありがたい1冊です。
このようなハイレベルな受験者向けのものは読者の目が厳しいこともあり、作るのも大変なはずですが、著書は流石の有名TOEIC講師の方ですので品質も確かです。
TOEIC Part 5の攻略法まとめ
長くなりましたが、いかがでしたでしょうか?
本記事で紹介したTOEICの Part 5を攻略するコツをまとめると以下になります。
- 中学レベルの文法を完璧にする。これだけで600点は硬い
- 文法書は必ず一冊は机に置いておく
- Part 5に特化した教材を使う
- 本番形式の模試を使う
TOEICはそこまで高度な英語力を求められている訳ではありません。基本プラスαな文法事項を抑えることが出来れば、あとは特有の出題形式と語彙(単語・熟語)をしっかりと覚えることで「誰でもなんとかなる」ことを理解して頂けたでしょうか?
TOEIC恐れるに足らずです!
以上今回はTOEIC Part5について解説させていただきました。
ではまた。