本記事は2016年5月の改訂後に大きく変わったPart 6について、押さえておくべきポイントとおすすめの書籍を紹介していきます。

TOEICのPart 6に苦手意識を持っている方は多いと思います。

主な理由としては「Part 5に比べて文章量が多い」ことです。これは改定前でもそうでしたが、改訂後の現在はさらに顕著になりました。

勘違いされがちなのが、Part 6はPart 5(単文穴埋め問題)のロングバージョンだと思われていることです。

TOEIC Part 6

改定前のPart 6は文章も短く、空欄に相応しい単語や語句を選ぶという、Part 5と同様の文法・語彙問題という側面が強い印象でした。しかし現在のPart 6はかなり変更がされました。

Contents

Part 6の特徴とは?

改訂後のPart 6の特徴を説明します。
・1つの問題に対して設問数(空欄)が増えた
・もはやリーディング問題となった
・2パターンの出題形式

以上が主な変更点です。

それぞれ説明します。

✅「1つの問題に対して設問数(空欄)が増えた」

改定前のpart 6では1セット(1つの文章)につき空欄(問題)が3つの4セットで計12問でした。

改訂後は1セットにつき空欄が4つの計16問に増え、このことにより問題数の少なさから軽視されがちだったPart 6の重要性が増しました。

✅「もはやリーディング問題となった」

ただ設問が増えただけでは無く、各セットの最後の4問目に長い文章を入れる「文章挿入型」の問題が出題されることになりました。

つまり、空欄の前後だけを抑えるだけで解ける問題が減り、選択肢の文自体が長くなったので、英文を頭から素早く読み進むことが出来る本当の英語力が求められるものに変わったと言うことでもあります。

よって、もはやPart 6はリーディング問題としてとらえても良く、Part 5(短文穴埋め問題)のような、単純に文法、語彙パートとして捉える事は出来なくなったと言えます。

2パターンの出題形式

そしてPart 6の出題パターンは以下の2つに大別できます

1. Part 5と同様に空所を含む1文だけを読めば解答できる問題(独立型)

2. 空欄の前後の文をしっかりと読み、文脈から判断する問題(文脈型)

1.独立型の特徴

"1"の「独立型」は品詞や前置詞、語彙などが問われる文法問題であり、Part5に似ています。

独立型の問題を一部抜粋するとこんな感じです。

Each passenger – – – – to carry one piece of hand baggage onto the plane without charge.

  1. allowed
  2. is allowed
  3. allowing
  4. had been allowed

正解(B)

航空会社の手荷物規定でありそうな文ですね。

選択肢が全てallow「~を許可する」の正しい形を選ぶ純粋な文法問題です。

空所の後には目的語が無いために、受動態の「許可される」という意味になる (B)の is allowedが正解となります。

この様に文を読むだけで解答できるのが「独立型」です。

2.文脈型の特徴

"2"の「文脈型」方は文章を全部読んで理解する必要があります。この点が難しく感じる要因であり、実際に難易度も「独立型」より高いのは言うまでもありません。

「文脈型」の問題を一部抜粋するとこんな感じです。

A laptop computer bag, school backpack, or handbag may also be brought on board.  – – – – -.

(A) please inquire at the service dest if it
       will be permitted on your flight.

(B) It should be stored under the seats 
         When not in use.

(C) Thank you for becoming a member of the flight crew.

(D) Therefore, they will be available for a 
       small additional fee.

正解(B)

この問題は先ほどの問題と同じ文章内にある最後の箇所となります。

選択肢からも分かるとおり「文脈型」であり、最後のセンテンスがごっそり抜けていますね。

よって空欄の前にある文の意味を理解してより自然で文脈に沿ったものを選ぶ必要があります。

空所の直前の文では、機内に持ち込めるかばんの種類として、”A laptop computer bag, school backpack, or handbag”が挙げられています。

空所には、このカバン類を It で受けて「使用していないときには、座席の下に収納しなければならない」と説明する(B)が文脈から適切と判断できます。

これが「文脈型」です。明らかに空欄だけで判断は出来ない問題ですよね。

パート6対策は「特化型」教材がおすすめ

以上のように、もはやPart6は特別に対策をする必要性が高まっていると言えます。

特にTOEIC学習を始めたばかりの頃はTOEIC特有の出題パターンに慣れておくだけで、スコアも違ってきますので、TOEIC L&R TEST 初心者特急 パート6 (TOEIC TEST 特急シリーズ)TOEIC L&R TEST パート6特急 新形式ドリルなどの各パートに特化したもので集中的に勉強することによって、効率的にこのパートの特徴を身体で覚えることが出来るのでおすすめです。

公式問題集で仕上げる

各パートに対応した教材でTOEIC特有の出題形式に慣れた後は公式 TOEIC Listening & Reading 問題集 6 で本番対策を行うことを忘れないでください。

攻略のキーはやはり「速読力

「TOEICってネイティブからしたらどうなんだろう?」といった疑問は多くの人が思ったことがあると思います。

ある程度教育を受けたネイティブスピーカーであれば、TOEICの英語はリスニングは遅く聞こえ、リーディングは時間を余裕で残して、全ての問題を終えることが出来ます。

ですので、決して意地悪で時間が短いのではなく、時間内に全ての問題を自信を持って解答することは決して不可能な話ではないということです。

よって日頃から学習する際にはスピードを意識して問題やリーディングに取り組むことが重要です。

これは特に700点以上を目指すのであれば、なおさら必要なことです。「早く読もう」と意識するだけでかなり変わります。

こうしたTOEICに必要とされる速読力を鍛えるのに最適な一冊が究極の英語リーディングVol. 1です。

およそ1分程度で読める短くて興味深い内容の英文が38本掲載されており、スキマ時間などを使ってどんどんこなしていくことが出来ます。

「長文って最後までたどり着かないのですぐ挫折します」といった悩みもこの教材では無用です。

そして全ての英文は約1000語前後の英単語で書かれていますので、「長くて難しい」という理由で挫折はしないと思います。

リーディング教材に音声素材が付属することは近年では珍しくなくなりましたが本書でも例外ではなく、掲載されている英文を読み上げたネイティブの音声がダウンロードできます。

これを使って音読やシャドーイングを繰り返すことで、目だけではなく、耳からも英文を体に叩き込むことができます。

勉強ではなくトレーニング

英語は音読を始め「身体で覚える」ことを普段から意識するだけで上達スピードが全く違います。

英語は音読を始め「身体で覚える」ことを普段から意識するだけで上達スピードが全く違います。

当然英文を読むスピードも上がります。

速読は勉強ではなく、スポーツと同様に「トレーニング」という意識を持って取り組むと違ってきます。

「考える」というよりも、繰り返しの動作で型を覚える感覚であり、スポーツ経験がある方にはその意味がわかってもらえると思います。

野球のバットやゴルフの素振りのイメージですね。

裏を返せば速読がある程度身に付けば”Part 7″で有利であることは勿論、リスニング問題の最大のポイントでもある「問題文の先読み」も容易に行うことが出来ます、

もちろんリスニングのスコアアップにもつながります。

TOEIC全体の攻略の話にもなりますが、小手先のテクニックに頼るよりも結局は総合的な英語力(音読を中心とした学習によって得られる英語力)を高めることが、ハイスコアへの一番の近道となることを頭の片隅に置いておいて下さい。

以上の説明である程度は”Part 6″の特徴を理解して頂けましたでしょうか?

難しくなったからといって慌てる必要は全くありません。

コツコツと日頃から英文を読むスピードにこだわることに努めましょう
そして可能であれば音読をするとさらに効果がアップすることも覚えておいてください。

必ず上達を実感する日がやってきます。

ではまた。