英文リーディングが出来なさすぎて英語がキライです。
特に早く読もうとすると内容が頭に入ってきません。どうすればいいですか?

ー結論ー

英文はただやみくもに読んでいても絶対に早く読めるようにはなりません。

特に速読ができるようになりたいのなら、きちんと段階を踏んで練習することで誰でも「リーディング得意なんだよねっ🤨」と言えるようになりますので、最後までお付き合い下さい。

この記事では、独学で英会話を始め、TOEICの初受験で330点、
働きながら約5年でTOEIC 990点を取得。その後英検1級を取得し、IT企業の国際部で毎日ネイティブとミーティングできるようにまでなった自分が、誰でも確実に英文の速読ができるようになる方法をお伝えします。

Contents

リーディングは”精読”と”速読”がある

文章を読むとき、内容の理解を第一の目標として文の構造、文法、語彙(単語・熟語)を確認しながら慎重に読み進める読み方を「精読」といいます。

英文を早く読む「速読」ができるようになるには、じっくりと文章を理解しながら読む「精読」をいかにこだわり、たくさん行ったかにかかっています。

なぜ「精読」が必要なの?

日本語で書かれた本を読む場合を考えて下さい。特にそれが自分にとって少し難しい内容だったとします。

まずはゆっくりと理解しながら読む進めますよね?というよりもゆっくりとしか読めないと思います。

その時点で速読しようとしても内容が頭に入るはずがありませんよね?

英語のリーディングもそれと一緒です。

いきなり速読だスキミングだといってもそれができるか出来ないかは内容次第だということは明らかだと思います。

ましてや攻略したい相手は英文なのですから、「速読など初めからできるわけがないんだ」と腹をくくり、一歩ずつでもいいからいつかそれができるように頑張ってみませんか?

あせらないでまずはゆっくりと読もう

速読は精読ができるようになった人が自然とリーディングスピードを上げることによって初めて獲得できるスキルです。

まずは構文・文法を意識しながら、わからない単語は辞書で調べながら丁寧に理解することから全ては始まります。

例えば以下の英文を精読するとします。

Most people believe stress is harmful and should therefore be avoided.
ほとんどの人はストレスは有害でそれゆえに回避されるべきだと信じている。

このセンテンスをみた時に初心者の方の中にもすぐに「意味はなんとなくわかるよ」と言う方はいるとは思います。

しかし精読の目的は意味を取ることではありません。

大事なことは、「believeの後のthatが省略されているな?」とか「that節の主語はstressだから、is harmless(有害である)とandでつながれるshould therefore be avoided(それゆえに避けられるべき)はその述部だな」というふうに理解しながらていねいに読み進んでいくということです。当然ですが、”therefore”がわからなければ調べます。

以上のような作業を丁寧に行っていくうちに、やがて構文・文法を特に意識的に考えなくても感覚的に英文を分析できるようになりますので、ここで諦めないで根気よく続けていく事が大事なんですね。

そうこうしている内に「そういえば最近読むスピードが上がったかも?!」と感じたらしめたものです!

英語に限ったことではありませんが、物事は上達を実感できる瞬間が多ければ多いほどそれがモチベーションとなり、さらなる練習の継続=上達となるわけですね。

精読の始めかた

精読のトレーニングを始めるにはそれにあったテキストが必要となります。

精読に使うテキストの難度はあまり簡単でも力になりませんし、難しすぎても続かないので注意が必要です。

よってまずは中学3年レベルのものを「完璧」に読みこなすことから始めます。

「中学生の英語か・・」といってバカにしてはいけません。

私が教えている学生や社会人の決して少なくない数の方々でも書かれている英文の意味はわかるが「文の構造や文法事項を完璧に説明出来ます」というレベルで読みこなしている人はごく少数なのです。

「なんとなく分かる程度の理解度」

これが精読ができていないということです。

キーは中学で教わる英語の完璧な理解度です。

中学英語をバカにしてはいけません。中学英語は全ての英語力の土台となる文法・構文・語彙が全てつまっています。

声を大にして叫びたい!

これから速読ができるようになりたいという人は中学英語を完璧に理解することから始めましょう。

大人のやり直し英語にオススメの文法教材

大学生や社会人が中学レベルの英語をやり直すにはある程度の抵抗を感じる人がいることは理解できます。

以前は中学の英語というと本当に中学生向けの内容のものしか手に入らないような時代もありました。

しかし、近年では使われている英文法は中学レベルであっても、その内容は大学生や社会人が読んでも興味が持続する内容のものが多く出版されています。

僕自身も色々と使ってみましたが、その中で実際に英語を勉強し始めた様々な年齢層の方々に実際に使ってみてもらって効果のあったものが以下の教材です。

中学 英語を もう一度ひとつひとつわかりやすく。

精読は英文を声に出しながらやると効果倍増

英文を読みながら声を出す「音読」は既に英語の学習では当たり前になってきました。

音読をすることにより英語の4技能である「読む、書く、聞く、話す」がバランスよく身につきます。

この音読を初期の段階でクセ付けておくことが速読はもちろん、後々全ての英語スキルの上達に活かされるというわけです。

ですので、余裕があれば精読をしながぜひ一緒に「音読」をすることを強くオススメします。

そうしたトレーニングにオススメなのが、みるみる英語力がアップする音読パッケージトレーニングです。

中学の教科書レベルの長文を使い、徹底的に音読を行うことで身体に英文自体をしみ込ませるようなトレーニングができるようになっているのでオススメです。

よく音読練習と言うと「私は発音が苦手なので・・」といった心配をされる方がいますが全然大丈夫です。

この段階では英語の発音にあまり気を使う必要はありません。とにかく英語を声に出す事が何よりも大事です。

みるみる英語力がアップする音読パッケージトレーニングの使い方

本教材の詳しいやり方は本の最初に書かれており、この優れた本のエッセンスを十二分に享受するには本書に書かれている通りに忠実におこなうべきですが、ここではあくまで ”リーディング力の向上” に焦点を当ててその方法を以下に紹介します。

「みるみる英語力がアップする音読パッケージトレーニング」の使い方

  1. 精読を行い、文法や語彙等で不明な部分がないようにします。
  2. 付属の音声を聞きながら文を見て音読します(×5回)※音読している時は「精読」の段階でおこなった文法構造をしっかりと意識しながら声に出して下さい。
  3. 音声は聞かずにテキストを音読する(ここでもゆっくりで良いので意味と文法構造を意識しながら読む)
  4. 最後に文を頭から理解しながら決して返り読みせずに読む。スピードも意識する。(×5回)

以上のように精読&音読をして、土台となる中学英語を身体で覚えてしまいましょう。

多読でどんどんインプット!

スピードを意識せずに英文の構造を理解しながら読んでいく「精読」を十分におこなったら次はとにかく沢山読む「多読」へステップアップしましょう。

多読の必要性はいうまでもなく、総合的な英語力のレベルアップです。

英語に限らず、語学が本当の意味で上達するには”文章をたくさん読むこと”は欠かせません。

日本語で考えてみて下さい。やはり普段からたくさん読書をしている人って会話やメール文からも知性を感じませんか?

それは本を大量に読むことによってのインプットの結果、自然とそれらの語彙や言い回しが溢れ出るように ”アウトプット” している結果なのです。

こうして読書量と日本語の言語能力が比例する以上、英語においてもたくさん読めば読むほどそのスキルは向上することは当然といえます。

いつから多読すればいいの?

「多読をするタイミングは?」という質問をいただきますが、「精読」を十分に行った後ということになりますが、それだと目安としてはわかりにくりと思います。

TOEICでいえば600点をコンスタントに取れるようになった辺りからが良いと思います。

試験の性質が全く異なるので単純には言えませんが、英検の場合だと3級レベルの文章だったらスラスラ読めるようになってからでしょうか。

それらのレベルの英語力があれば基本的な文法力はありますので、簡単な英文をたくさん読む「多読」へと移ってもいいでしょう。

どんな本で多読すればいいの?

たとえゆっくりと読むことは出来ても、大量の英文をリズムよく読むことが出来なければ多読においてはストレスになってしまいます。

多読の効果を十分に得るには、やはりその時の自分レベルにあった物を選ぶ必要があります。

以下の条件にあったものが多読に向いている素材といえます。

  • すでに知っている話や予備知識があるもの
  • やさしい英文法・語彙を使って書かれているもの
  • 「読みたい」と思える内容のもの
  • ボリュームが少ないもの
  • 値段が安いもの
以上の条件を満たしており、オススメしているのはラダーシリーズです。

使われている語彙数によってレベルが5つに分かれており、自分のその時のリーディングレベルに合えば快適に読みすすめていくことができます。

さらに使われている単語の意味が巻末にリストがあることでいちいち辞書を引く手間もかかりません。

目安となるレベルは以下の公式サイトを参照して下さい。

[blogcard url=”https://www.ibcpub.co.jp/ladder/”]

特にレベル5は語彙制限がなくTOEIC700点以上となっていますが、もしかしたら人によってはタイトルにより内容が難しく感じるかもしれません。

このラダーシリーズは多読用として英語学習用に作られたものであり、スピード感を感じながらたくさん読むことが大事です。

レベルが合わないと感じたらサクッと途中でもやめてレベルを落とすことも大切な心構えのひとつです。

Webでも多読できる

ネットの記事をどんどん読んでいくのも多読には向いています。

ネットはリアルな英語の宝庫です。

しかしネットにはあまりにも多くの英文記事があふれているため、逆に何を読んだらいいのかが分からないと思います。

特にネイティブ向けの記事は当然語彙制限もありませんし、和訳もありませんので、不明な箇所があれば自力で読み解くか、推測して読んでいくしかありません。

さらに背景がわからないと理解しにくい記事も多く、ある程度のリーディング力がある方を除いて、多くの初心者の方にとっては”英文の多読”という目的には合いません。

したがってwebの英文記事は多読するにはこれ以上のものはありませんが、その多くが英語学習を卒業したレベルに達している人が情報の収集や趣味性の高い記事を楽しみのひとつとして読む物と考えた方が良いでしょう。

学習者向けのwebサービスを有効活用しよう

とは言え、ネットにたくさん転がっているネイティブが日常的に読む記事もストレスなく読めたら世界は広がるし、絶対に楽しいですよね。

大丈夫です。焦らずにまずはきちんと和訳のついたもので多読をしていきましょう。それと記事の内容も大事ですね。身近な内容の方が背景がわかっている分読みやすいのは当然です。

そこで馴染みのある日本に関したニュースも多いThe Japan Times Alphaがオススメです。

The Japan Times Alphaには、日本におけるメジャーな英字新聞The Japan Timesからピックアップされた記事が学習用に適度な量(200文字前後)に圧縮されており、新鮮な時事英語が多読できるので大変オススメしています。

重要な単語・表現には日本語の注釈・単語訳つきなので、辞書を引く手間が省かれるのも多読するにもってこいの素材です。

国内外の政治経済、映画スターやスポーツ選手ら有名人の話題、エッセイなどジャンルも様々。まずは興味がある話題から読んでみましょう。

基本的には有料サイトですが、メルマガに登録すると月に5本の記事が無料で読むことができます。

最終的には”好奇心”が大事

しかし個人的には本当に読みたい記事があれば、和訳があろうがなかろうが、難易度が高かろうがなんとかしても読んでみる、「いやっ読みたいんだっ」という気持ちがあれば是非がんばってチャレンジして欲しいという気持ちもあります。

僕自身もTOEIC700点代だった頃に無謀にも “TIME” や”Newsweek”といった日本人にとっては難しいと言われているネイティブ向けの雑誌を一生懸命辞書片手に読んでいました。

それは純粋に記事の内容に興味を持ったからであり、書かれている英語の難度が高いか低いかといった事はほとんど気になりませんでした。

本記事で紹介しているリーディング学習の効率的なステップアップの仕方とは矛盾する話ではありますが、この絶対に読みたい英語の本、記事があるということが何よりも上達に必要な要素なのです。

「これ面白そうだから読んでみたい!」と好奇心を持つことは英語学習にとってモチベーション維持の観点からも非常に大事なことです。

速読にチャレンジしてみよう

たくさんの英文を読んでいくうちに徐々に頭で考えなくても”スッと”英文が身体に入ってくる瞬間が増えてくると思います。もちろん返り読みなんてほとんどしなくなっていることでしょう。

そうしたら次の段階である「速読」を意識してみましょう。

スラッシュリーディングをやってみよう

速読の原則として決して返り読みをしないということがあります。

多読でスピーディーにリズムよく読んでいくという訓練は十分にしたと思いますが、それでも少し難しい構文にぶつかったりするとつい構造を理解するために時には戻りながら読んでしまう時もあると思います。

スラッシュリーディングとは英文を小さい意味のかたまりやフレーズで細かく切って(スラッシュ)読んでいく方法です。

これをやることにより、英文を小さい単位で頭から理解しながら読んでいくスキルが自然と身につきます。

例えば以下のように短いかたまりでスラッシュを入れていきます。

Warm winter weather in Germany means / that vineyards in the country / will make no ice wine this season. // This is apparently the first time / in the history / of German winemaking / this has happened.

このスラッシュをあらゆる英文に入れて読んでいくのです。そうすれば英文を頭から読むクセがついてきます。

使う素材ですが、最初はすでに多読で使ったラダーシリーズなど紙のものに鉛筆でスラッシュを入れていくといいと思います。

スラッシュする箇所は厳格には決まっていませんが、あまり短くても長すぎてもNGです。

自分自身が意味のかたまりとしてひと目で認識できることが重要であり、文法がわかっていないと的確に区切ることが出来ませんので、そういう意味でもいい訓練となります。

音声を聴きながら読んでみよう

音声素材を使って聞きながら読む訓練をすると“英語を頭から理解する”トレーニングになります。

✅レベル別速読おすすめテキスト

■ 英語初心者〜中級の入り口(TOEIC550点程度)

英語学習を始めたばかりの方は是非、上記でご紹介した中学英語のやり直し教材に加え、毎日少しづつでも良いので音読トレーニングを行ってください。

音読トレーニングを繰り返すことによってリーディング速度のアップにつながるというわけです。

英会話・ぜったい・音読 【入門編】—英語の基礎回路を作る本は中学1、2年のレベルの文法を使った長文とまでいかないくらいのちょうど良い長さの英文を音読しながら頭から理解していくトレーニングを徹底的に行うことができるこのジャンルの元祖的なテキストです。

こちらは一番やさしい「入門編」ですが、英語の土台を作る上で一番大事な基礎の文法・構文・語彙といったエッセンスが凝縮しています。

初歩の段階でこうしたトレーニングをやるとやらないのでは圧倒的に後のリーディングのみならず、英会話はリスニング、ライティングにも有利となりますので、是非一度やってみてください。

■ 中級レベル(TOEIC600点〜730点程度)

速読におすすめの教材としては毎日の英速読一番に思いつくというくらいおすすめの速読に特化したリーディング教材です。

課題の文章量は300words前後と速読するのに疲れない程よい量です。
さらにスラッシュリーディングのトレーニングもすることができ、音声もスラッシュごとに一瞬だけポーズがあるバージョンもあり、正に速読専用に構成された内容です。

ネイティブが読み上げる音声スピードも一分間に140~160 wordsということで、これについていけるリーディングスピードがあれば、TOEICのpart7も最後まで読み切ることが出来ます。

■ 中級〜上級の入り口レベル(TOEIC730〜800点程度)

上記で紹介したラダーシリーズは一部のタイトルは有料ですが音声もダウンロードできますので、すでに多読で使ったものを次は音声を使って聞きながら読んでいくトレーニングも効果があります。

ラダーシリーズはある程度の長さがあり、音声についていくトレーニングは人によっては負荷がかかりますので、途中でストップして小休止しながら行うと良いです。

このレベルの方は教材というよりも生の英語を日々読みながらインプットを増やす作業に時間を費やすことがさらなる英語力アップの為に必要といえます。

すでに国内で手に入る英語教材の内容では満足できない方もこのレベルでは多いですが、かと言って全くの解説なしのネイティブ向けの記事やニュースなどの流し聞きでは心許ない場合もあります。

そこでENGLISH JOURNAL (イングリッシュジャーナル) などの学習者向けにあまり加工されていない素材を使って生の英語をたくさん読んで、聞いて、音読、シャドーイングを繰り返しましょう。

ネイティブ同士が話すスピードは教材中心に勉強してきた学習者にとってはえげつないほど早く感じ、何度もめげそうになります。

しかし上記で行ってきた音読は全ての英語学習の基本であり、速読をする際にも ” 音読で身につけた英語の土台が一番重要な要素でもあります。

以前知り合いの同時通訳者の方が話してくれた「音読というのは高いレベルになっても続けていくことが必要だし、我々も仕事の前にはその日のテーマとなる資料の音読は欠かさない」と話してくれたことは今でも印象に残っています。

まとめ:速読でも音読は欠かせない

いかがでしたでしょうか?

本記事の内容を最後にもう一度まとめておきます。

  • いきなり早く読もうとせずに「精読」から始める
  • 精読を十分におこなったら「多読」へと移る
  • 読むだけでなく英文を「音読」すると効果倍増
  • 音声を聞きながら読むことは良いトレーニングとなる
  • やっぱり音読

やはり音読は英語の上級者になっても欠かせないトレーニングであり、文章を正確に早く読むことも例外ではありません。

速読術のような“小手先のテクニック”ではなく、まずは音読によって英文の構造や語彙を頭ではなく身体に染み込ませる作業は、英語を上達する王道の学習方法なのです。

今後も真剣に英語がうまくなりたい人にとって有益となるような記事を提供していこうと思っていますので、よろしくお願いします。

テツローでした。ではまたー👋