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ディクテーションとは?

英語のディクテーション(Dictation)とは、聴いた英語を書き取る練習です。

音声を流しながら、聞き取れた英語を「聞こえたままに」書き取ったあとに聞き取れなかったところを、前後の関係や文法などから推測しながら「自分なりの完成文」を作り、その後英文を見て自分のものと比較し分析するトレーニングです。

ディクテーションは、日本でもかなり前から推奨されているトレーニングですが、英語教育に熱心な学校を除き、学校教育ではほとんど教わることはありません。

ディクテーションの効果は?

以上のようにディクテーションの効果は絶大であり、英語上達には欠かせない再注目されるべき重要なトレーニング方法の一つですが、その具体的な効果はどのようなものでしょうか?

英語を聞き取れない原因がわかる

あなたが英語を聞き取れない原因は、必ずこれら4つのうちのどれかにあてはまるはずだ。

  • 英単語と英文法の知識不足
  • 英語の発音に慣れていない
  • 英語の語順に慣れていない
  • スピードに慣れていない

それは同時にあなたの英語力が向上しない根本的な原因でもある。複数当てはまる場合もあるだろう。効率的に英語力を向上したいのであれば、ディクテーションで聞き取れない原因を検証し、それらの弱点を地道に克服していくことをおすすめする。

リスニング力が伸びる

ディクテーションを行うことで自分が英語を聞き取れない原因がわかります。

それらをひとつひとつ明らかにして克服していくことによって特に顕著になるのがリスニング力のアップです。その理由は以下です。

・ 推測力がつく
・ リスニングの集中力
・ 文字と音を一致させられるようになる

✅ 推測力がつく

何回聞いても書き取れない単語って、必ず出てきます。例えば「can」と「can’t」がいい例。「can’t」のTは聞こえないことが多いので、当然のことなのです。

私たちが日本語で会話しているときも、「一字一句」きれいに聞き取れているかというとそうではないですよね?聞き取れなかった部分は会話の前後から推測できると思います。

英語でも一緒です。沢山の英文を聞いたり音読することによって、ここ聞き取れなかったけど、たぶんこう言ってるんだろうな」と徐々に英語を「推測する力」が付いてきます。

ディクテーションはこの能力を伸ばすいいトレーニングです。

ちなみに「推測する力」は大きく「意味(文脈)から推測する力」と「文法知識をいかして、書き取れなかった単語を埋める力」に分かれます。

わかりやすい例で言うと

Do you want to join us tonight ? (今夜一緒に遊ばない?)

に対しての返答で

I would love to, but I ( can / can’t )

とあり、最後が”can”か、”can’t”なのかがよく聞き取れなかったとします。

しかし最初に「行きたいけどしかし・・」と意味が取れれば後ろに続くものは否定の”can’t”だということが、聞かなくても「推測」が出来ます。

このように少し位聞き取りが不明瞭であったとしても文の前後から予測し、文法知識を総動員することによって、結果的に「聴ける」ようになります。

✅ リスニングの集中力

まず、音声を聞き流しているだけでは、リスニング力は絶対に伸びません。意味が分かって初めて、リスニング力は伸びるのです。

例えばアラビア語などまったく知らない言葉を1日10時間も聞いたって、意味に結びつけられなければ、聞けるようにも話せるようにはならないですよね。それと同じことです。

ディクテーションはごまかしがきかないトレーニングです。意味が分からないまま書き起こすのは至難の業です。

つまり意味をしっかり理解しながらリスニングする環境、無理矢理にでも集中しないといけない環境を作れるのがディクテーションです。

✅ 文字と音を一致させられるようになる

日本の英語教育は文法や読解に力を入れているため、日本人は「文字」に依存しているといわれます。読んだら楽勝なのに、聞くと「全然分からない」と感じた経験、みなさんもありませんか?

ディクテーションは聞いた内容を文字に起こす作業ですので、始めは書き取れなくても、スクリプトを見て、自分が書き起こせなかったところを繰り返し音読やシャドーイングしてみることで、音と文字が一致してきます。

つまりディクテーションは、リーディング力とリスニング力の差を埋めるのに効果的。読んだら理解できるレベルの英語が聞き取れるようになれば、リスニング力はかなり高いと言えるでしょう。

英語の総合力が鍛えられる

ディクテーションの一回目ですべての単語を正確に書き取れる人はほぼいません。

ディクテーションは文章を完成させる為に、1つの英文と徹底的に向き合って結果的に何度も聞くことになるので「書き起こせなかった部分」が明らかになり、自分の英語力が浮き彫りにされてしまいます。

最初はうまく行かないかもしれませんが、リスニング力を鍛えつつ英文を復元する作業によってリスニング力だけではなく、つづりや発音の仕方、文章の分析や文を組み立てる能力、単語や文法の知識といった英語の総合力(読む、書く、聞く、話す)が強化できる非常に良いトレーニングです。

これは自分の弱点を克服するいい機会だと思って下さい。

その弱点を克服できれば、リスニング力だけではなく、英語力そのものを向上させることができるのです。

ディクテーションを始めよう!

それでは実際にディクテーションの手順を説明していきます。
  1. 音源付きの英語素材を用意。
  2. 英文を見ないで音源を聴き書き取ってみる
  3. 聞き取れない理由の確認

1. 音源付きの英語素材を用意

ディクテーション用の英文と音源ですが、必ず自分の学習レベルに合ったものを選びましょう。英単語と文章構造の難易度、文の長さ、音源のスピードが自分のレベルに合ったものかどうかに注意して下さい。

英文の中に知らない単語が多すぎると「聞き取れなかった単語を推測して埋める力」が発揮できません。ですので「知らない単語はほぼないレベル」の教材を選びましょう。

とは言え簡単すぎても脳に負荷がかからないのでせっかくの学習時間がムダになってしまいます。

また音声の長さは、初心者~初中級者だと長くて30秒、上級者でも45秒ほどのものがいいと思います。

また文脈がある教材を選ぶのもポイント。最初は短文の穴埋めでもいいのですが、慣れてきたら会話文やニュースなど、文脈がある教材にしましょう。

もしあなたが英語ビギナーでディクテーションの経験がまったくないとのことでしたら、ぜひ一度ゼロからスタート英語を聞きとるトレーニングBOOK を最初のディクテーション教材とすることをおすすめします。

中学レベルでひとつひとつの単語を書き取るレベルからスタートし、簡単なニュースまでを素材にして、1日10分の学習で約1ヶ月で終えることができます。

2. 英文を見ないで音源を聴き書き取ってみる

ディクテーションを始めます。一文聴いたら一旦音源を止めて書き取る。

意味(内容)と文の構造を意識しながら聞いて記憶し、英文を文字に起こすことを心がけます。聞き取れない場合は何回か繰り返し聴くこと。

聞き取れないところは空欄にしておく。スペルがわからない場合はカタカナで書いても大丈です。ポイントは英文は絶対に見ないこと。

3. 聞き取れない理由の確認

最後に音声のスクリプト(英文)と比較しますが、単語(スペルを含む)と文法を中心として、聞き取れない理由を分析することが非常に重要です。

聞き取れない理由の多くは「英文(スクリプト)を読んで理解できる場合」と、「できない場合」と大きく2つに分かれます。

✅ 英文(スクリプト)を読んでも理解できない場合

英単語と英文法の知識不足が考えられます。読んでも理解できなければ基礎的な英語の文法知識が足りない可能性が高いです。

このような場合は Mr. Evine の中学英文法を修了するドリルなどを使って中学英語の総復習をしましょう。

中学英語はすべての基礎です。土台(中学英語の文法)がしっかりしていないとその上にどんなにきれいにレンガ(リスニング、スピーキング等)を積み上げようとしても簡単に崩れてしまいます。

英文(スクリプト)を読めば理解できるが聞き取れない場合

主に3つの原因があります。

• 英語の発音に慣れていない:単語の発音方法やアクセントの位置を間違って覚えていたり、音と音がつながって発音されていると聞き取れません。
• 英語の語順に慣れていない:英文を戻り訳すなどして「解読」すれば理解できるが、英文を前から理解できないので聞き取れない。
• スピードに慣れていない:音声をゆっくりモードで再生すれば聞き取れるが、速くなると聞き取れない。

こうした場合は英語耳[改訂・新CD版] 発音ができるとリスニングができるが大変おすすめです。英語が聴けない大きな理由の1つである発音のアクセントや音と音のつながりに焦点を絞って徹底的にトレーニングが出来る一冊です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?日本の英語教育では全くと言っていいほど重視されない「ディクテーション」ですが、実はコスパがかなり良いトレーニングだということを理解していただけましたでしょうか?

これからも英語学習に悩むあなたへ有益な情報を届けるべく精進いたしますので、今後ともよろしくお願いいたします。

ではでは👋