『総合英語evergreen』は、以前は『総合英語Forest』として多くの英語学習者に「超定番の英文法参考書」として知られていたものを大幅に刷新したものです。
本のタイトルは変わりましたが両書の執筆陣もほぼ一緒であり、大幅に内容も変わったわけではありませんので、既に『総合英語Forest』を持っているよという方はあえて『総合英語evergreen』を購入する必要はないでしょう。
本記事ではこの新しくなった『総合英語Evergreen』の内容や効果的な使い方を紹介します。皆さまの英語学習の参考になれば幸いです。
Contents
どんな人におすすめ?特徴は?

『総合英語evergreen』は基礎的な文法事項から東大レベルまで広くカバーいることもあり、それなりのボリュームがあります。
よってどちらかと言うとわからない文法事項が出てきた際に辞書のように使用するのが適しています。
また音声を活用して総合的な英語力を向上させることもできるので、英会話の学習にもおすすめです。
「Evergreen」の特徴
以前の『総合英語Forest』は各章Part 1の「これが基本」、Part 2の「理解する」、Part 3「深く知る」と三部構成で難易度が徐々に上がっていくのが特徴のひとつでした。
この順を追って理解していく構成は、脳科学的にも効率的だといわれており、大人の脳は、理解して覚えることが得意という性質と、基礎を身につけてから少しずつ難易度を上げていった方が結果的には早く習得できるという性質を持っています。
そして今回の『総合英語 Evergreen』では、新たにPart 4「確認する」というステップが加わっています。
「Evergreen」に加えられた「Part 4」とは?
「Evergreen」の次の章に新しく加えられた「Part 4 確認する」は2つのセクションがあります。一つは、Part 1〜3で解説していることの「まとめ」で、もう一つは理解を確認するための「問題」です。
「問題」は各章につき10問が掲載されており、解答と解説に加えて詳しく説明されているページ番号が掲載されています。
新しくPart 4が加えられた章は全24章のうち、10章のみに追加されています。そして「まとめ」は各章2〜3ページを割いており、各章で学んだ例文を使用して説明しています。これを何度も音読することで、学んだ文法を「身体で覚える」ことにより、単に「理解した」だけでなく「使える」ようになります。
無料ダウンロード音声を最大限に利用しよう
例文は、その章で学んだ文法項目を理解する上で音読する価値があり、「目」で読むだけではなく、無料の音声をダウンロードして「耳」で聞き、「口」で発音することにより効率的に学習できます。
音声は遅くも速くもない「ナチュラル」なスピードで収録されており、これだけでも本書が「読むだけの文法書」だけでないことが分かってもらえると思います。
脳科学研究では「目」の記憶よりも「耳」の記憶の方が心に残ることが知られており、「口」で発音することは、「文法を使えるようにするための基本中の基本トレーニング」でもあります。
さらに「自分で発音することは自分の声を聞くことにもなる」ので、脳への定着も促進することになり、同時に「発音」も同時に上達することが出来ます。
そして本書の例文は単純な単語を使用しており、かつ短い文章なので非常に理解しやすいし、単語を変えればすぐに使える例文も多いので難易度は決して高くありません。
「総合英語Evergreen」の使い方

加えて、ここでは本書と無料でダウンロードできる音源を利用した「文法項目の確認」だけではなく、「頭で理解した文法知識」を無意識に使えることを目指す総合的なトレーニングを紹介します。
Part 1, Part 2で英文法の土台作り
まずはPart 1、Part 2を学習し、確固とした英文法力の土台を築いてください。Part 3には、高度で発展的な項目が数多く含まれていますが、Part 1、Part 2の内容が理解できていれば、十分対応可能です。
Part 1 :「これが基本」
この章で学習する文法項目の基本的な概念をとらえることができるように解説してあります。
Part 2 :「理解する」
この章で学習する基本的かつ重要な文法項目をおさえ、確実に理解することができるように解説してあります。
Part 3:「深く知る」
発展的な文法項目について解説してあります。Part 2で基本的な文法項目を理解した後でチャレンジしてください。 Part 4 確認する: Part 1からPart 3で学習したことを確認するためのポイント解説と、理解度を確認するための問題です。
具体的な学習方法

それでは『総合英語evergreen』を使った学習方法を紹介します。
音読&シャドーイング
無料ダウンロードできる例文の音声を使って音読とシャドーイングのトレーニングをします。
例文の音声は3つの種類があり、それぞれ使い方があります。
- ポーズなし音声: 英語のみ。文と文の間に時間をおかずに収録されている。
2. ポーズあり音声:英語のみ。文と文の間に数秒の間を入れて収録されている。
3. 日本語音声→英語音声: 日本語の訳の後に英語の例文が収録されている。
「英語(ポーズなし)」ではシャドーイング、「英語(ポーズあり)」ではリピーティングに適している。「日本語 → 英語」は訳して理解する癖から抜け出せなくなるのでおすすめしません。
テキストを見て、音読しながら、単語の意味と文の構造(文法)を確認する。わからないところは本書の説明文や辞書で確認すること。単語の意味と文の構造を完璧に理解したら、テキストを見ながら英文を聞いてみる
意味はもちろん、発音(個々の音、アクセントの位置、音声変化、強弱、イントネーション)を意識して口パク(リップ・シンク)、もしくは同時に発音しながら繰り返し聞くこと
リピーティング
ダウンロードした「Target」例文の音声を、テキストを見ずに一文ずつリピートしてみましょう。「ポーズあり」の音声を使用し、ポーズのところでリピートします。
リピートしようと思うとなかなか出来ないものです。そうした場合は意味を理解することに意識を集中することです。聞き取れない場合は2〜3回繰り返して見て下さい。
ディクテーション
聞き取れない場合は「聞こえたままに」紙に書き取る「ディクテーション」をやっていましょう。聞き取れないところは気にせずに空欄でOK。スペルが分からなければカタカナでも構いません。2〜3回繰り返した後、テキストを見て聞き取れなかった箇所を確認し、何回か音読する。
リフレージング
再度、テキストを見ないでリピートしてみよう。今度はできるはず!リピートできたら、今度は、同じ意味の別の文に言い換えてみよう(リフレージング)。
『総合英語Evergreen』に完全対応の文法問題集もある

文法の基礎力を身につけるトレーニング (「総合英語Evergreen」完全準拠文法問題集) 単行本 – 2019/5/1
簡単に特徴を説明すると
- 1056問の演習問題を通して,文法の知識を確認。
- 一問一問に丁寧な解説が用意され,しっかり理解できる。
- 『総合英語Evergreen』に完全対応。文法を習得できる。
などです。ページ構成にも配慮 し、「見開き問題」→「見開き解説」の構成で、学習の進度を自分でわかりやすく設定できます。
問題レベルは高くない?
問題の種類は以下の通りです。選択肢から適切なものを選ぶ問題や日本語の意味に合うように単語を並べ替える受験生ならおなじみの「典型的な試験問題」ですので、受験を控えている学生の方にはよいですが、英会話を学習している上級者や社会人にはあまりおすすめできるものではありません。
大学入試センター試験問題が掲載されていることからも、高校生をターゲットとした問題集であることがわかる。その他にも「Evergreen」の名前を冠した多くの問題集が発行されているが、全て高校向けのみの販売です。
学生におすすめの音読アプリ
アプリで音読練習?

いいずな書店が提供している例文の音読練習アプリ「いいずなリピトレ」に「Evergreen」が加わった。例文の音声が流れたあとに音読すると星の数で判定する。自分の声の録音ができる。
アプリは学生向け
アプリは、例文を聞いて自分でリピートした音声を星3つで判定する機能と、自分の音声を聞ける機能が付いているのみですので、それほど有益なものではありません。
ただ本書を教材として採用した際に先生のみに配られる「総合英語Evergreen Essentials」という暗唱文例集をベースに作られており、学生が本書をすでに使用している場合はその生徒にとっては使えるアプリとなるかも知れません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?『総合英語evergreen』は全ての英語学習者にとって一冊持っておいて損はない英文法書です。基本的には文法で分からない箇所があればその都度辞書のように調べ、音声を利用しての「音読」トレーニングを通じて「頭だけでなく身体で英文をまるごと」自分のものにしてしまいましょう!
それでは今後もこれを読んでくださっている英語をがんばっているあなたの為に向けて有益な情報をお届けしていきますのでよろしくお願いします!
でわっ!!👍