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まずは中学の文法をマスターしよう

英語は基本をおろそかにすると途中で伸びなくなります。特に日本では英会話において文法は軽視されがちで、「英会話はどんどんネイティブのレッスンを受けて沢山コミュニケーションしよう!」という風潮になりがちです。

自分が言いたいことを英語で表現するには最低限の文法知識の習得は避けて通れません。まずは文法の基礎を固めることが何よりも大事です。

英語上達のキーは「中学レベルの文法の習得」です。

英会話に限らず、「英検」「TOEIC」等の資格試験でもまずは中学3年間で習った基本文法を体系的におさらいする必要があります。

中学の英文法を完璧にマスターして、自分の言いたいことを「身振りや手振り」が前提の「相手が聞いてくれる」ことを前提とした「英会話」ではない単なる「不器用なコミュニケーション」を終わりにしましょう。

TOEICで700点以上を持っている人でも、”be動詞”を使った単純な疑問文や否定文すら正しく作れない人もいます。

このような状態では、TOEICの文法問題をたくさん解いても、今後のさらなる伸びは全く期待できないといってもいいです。

文法は基礎から体系的に学ぶ

文法は「体系的」に基礎から積み上げて学ぶことが重要。例えば、疑問文を作ることが出来なければ現在完了形をつくることは不可能です。当たり前のことのようだが、意外と出来ていない人が多いです。

文法オタクにはなるな!

基礎から積み上げていくことは重要なのだが、たまに見かけるのが英語上級者ではないにも関わらず、重箱の隅をつつくように文法書の細かい部分(文法事項の例外など)を必要以上に気にしている人です。

文法に詳しくなるそれ自体は良いのですが、こだわり過ぎるあまりアウトプット(話す、書く)に消極的になっている方がいます。それでは本末転倒です。

文法は初めは細かいことは気にせず、ざっくりでもいいのでまずは中学英語文法のテキストをやりきってみましょう。

そしてその知識を使ってどんどん英文を作って声に出すことで、「知識」でしかなかった文法を初めて「自分のもの」にすることが出来ます。

文法書の解説を読んでも理解できない箇所は飛ばしても構いませんので、どんどん前に進みましょう。

一度全体を見渡すと、振り返った時に理解できなかったところが簡単に理解できることも多いので、しつこいようですがあまり細かいことは気にせずこれだと思える文法関連の教材を最後までやり遂げましょう。

中学までの文法を自在に使えるようにしよう!

「理解できる文法」と「使える文法」は違います。英単語と同様に文法の学習もそれらを区別して学習すると効率的です。

文法の場合は、中学3年までに習うことを自由自在にアウトプット(話す、書く)出来るようにしましょう。

例えば、高校で習う「仮定法」は読んだり聞いたりした時には「理解できる」ようにしておきたいが、別の言い方で表現を代替できるので「使える」ようにならなくても構いません。

また、英検やTOEICに出てくる文法の全てを自分でも使えるようにする必要はありません。

英語は習得しなければならないことが多いため、できる限り効率化してそれぞれ個人の目標とするレベルまで到達したいものです。

「瞬間英作文」でアウトプットの基礎回路をつくる

我々日本人が英語を使う(話す・書く)場合は、なるべく単純な文法と簡単な単語で、内容が明確な文章を作るように意識したい。

それには知識として習得した「中学3年間で習う英文法」を使って日本語から英語へと「瞬時に変換」することです。

どんどん話すための瞬間英作文トレーニングなどで「日→英」の簡単な「瞬間英作文」を大量に行うことで英会話の際に頭の中で考えなくても自然と瞬時に自分の言いたいことが勝手に口から出てくる快感を味わってみて下さい。

最低限覚えておきたい2000の重要英単語

それらの文法と「最重要語2,000語」を「自由自在に」使えるようになれば、特に英会話ではほとんど自分の言いたいことを自由に表現できる基礎が出来たといます。

英語学習で最低限おぼえたい2000語に関しては別記事でくわしく説明していますので参照ください。

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まだ使えないが「理解は出来る」文法を徐々に学ぶ

「瞬間英作文」などで簡単な文法を自分でも使えるようにトレーニングしていきながら、同時並行的に、より高度な文法を理解できるようにしていきましょう。

「使える文法」というのは、英語を「話す」ときと「書く」とき(つまり、アウトプットのとき)に必要となる文法のこと。

文法とは、簡単にいうと単語の並べ方です。

アウトプット(話す、書く)するとき、自分の伝えたいことを正確に表現するためには単語を文法通りに並べなければなりませんが、「使える文法」とは、「話す」「書く」能力に直結します。

一方で、「理解できる文法」というのは、英語を「読む、聞く」(インプット)の時に必要となります。

たしかに単語が理解できれば、言いたいことはなんとなく理解できるかもしれません。

しかし、相手が伝えたいことを正確に理解するためには文法を理解しなければならなりません。「理解できる文法」とは、「読む」「聞く」能力にとって欠かせない能力なのです。

英語の4技能(読む・聞く・書く・話す)を効率的に向上させていくために、まずは「使える文法=中学の英文法」を完全にマスターして「理解できる=高校以上のレベル」の文法の幅を広げていきましょう。

英文法は頭で考えるな!?

文法は「頭」だけではなく「目」「耳」「口」「手」を使って体全体で学習しよう。

文法というと、辞書と文法書片手に黙々と勉強を想像する方も多いと思ういます。しかし、本当に使える英語を身につけるためには学習する文法項目が含まれた例文を「読み」「聞き」「発音」、「書く」ことを繰り返すことが重要です。

単語の学習とは違い、文法の学習は理解する必要がある。つまり「頭」を使う勉強だ。しかし、文法書を読んで理解しただけでは、聞いたときに理解できるようにはならない。

例文を読んで理解できたら、次に「聞いて」理解できるようにしよう。加えて、自分でも発音し、書いてみることで4技能の向上へとつなげよう。

身体で覚える英文法

例文を音読する

課題となっている英文法の例文を大きな声を出して音読してみましょう。その際は必ず意味を意識しながら読んで下さい。

文法の解説は読まずに、まずは例文を音読することだ。例文を読んでその文法項目が理解できない場合は解説を読もう。理解できるのであれば読む必要はない。

声を出して読むことには重要な意味がある。戻り訳さないようにすることだ。音読しながら意味を理解するには、英文を前から前から理解しなければならない。注意しなければならないのは、音読して理解できないからといって後ろから戻り訳して「解読」をしないことだ。一度音読して意味が頭に入ってこない場合は繰り返し音読してみよう。

例文を区切る(スラッシュリーディング)

英文を後ろから戻り読みしていてはリスニングやリーディングはいつまでたっても上達しません。

英文を頭から理解するために意味を塊ごとに区切る(スラッシュリーディング)をマスターしましょう。

I will never forget/the time/when we first met.
私は忘れないでしょう/その時を/私達が初めて会った

日本語としては不自然ですが、理解は出来ますよね?これが英文を頭から理解するということです。

「初めて私達が出会ったその時を私は忘れないでしょう」が日本語的にはきれいな訳かもしれませんが、それだと文の最後から戻りながら理解する必要があり、リスニングやリーディングではそんな暇はありません。

頭の中で理解するには英文を読んだ順で理解していくこと以外には方法がないのです。

このスラッシュリーディングを繰り返すことにより英文を前から前から理解できるようになる。つまり英語の語順の回路(英語脳)を作っていくことができるのだ。

「リズム・ストレス・イントネーション」を意識する

例文を聞いたり、声を出して読んだりする(音読)をするときは発音にも注意してみましょう。いくら文法的に正しい英文でもロボットのように抑揚のない話し方や不自然な箇所にアクセントをつけてしまうと伝わるものも伝わりません。

ネイティブが理解できるように「リズム(緩急・間・テンポ)」、「ストレス(強弱・強勢・アクセント)」、「イントネーション(高低・抑揚)」を意識しましょう。

英語は「リズム」が重要です。単語の一つ一つの発音にあまり気を取られずにむしろ英文をセンテンス毎に「ひとつの単語」とみなして、英文にアクセント(強弱)とスピードの緩急をつけてみましょう。

「イントネーション(抑揚)」とは音の上げ下げのことで、例えば、疑問文は文の最後を上げて発音するといったことです。

要するにお手本となるナレーションとそっくりに発音できるように練習しましょう。

英作文して理解を深めよう!

学習した文法項目を使って自分で英文を作ると理解が格段に深まります。

最初は例文の単語を変えてみて、書いてみるとよいトレーニングとなります。

慣れてきたら、例文とは全く別の英文を、書かずに頭の中だけで作ってみよう。その際にも、発音を意識しながら声を出すことを忘れずに。

和訳は意味なし?

瞬間英作文のような短いセンテンスを「日本語→英語」 へと瞬時脳内で変換するトレーニングは大変有益ですが、ある程度の長さの英文をきれいな日本語にする「和訳」は翻訳家のトレーニングには有効ですが、一般的な英語の上達には遠回りになるどころか、「英語を英語で理解する」英語脳づくりには不適切なので注意しましょう。

和訳の問題は文法項目の理解を深めるにはよい練習なのですが、それをやる時間があるならもっとたくさんの英文に触れて頭から理解するように努めましょう。

さらに英検やTOEICなどの穴埋め問題や言い換え問題、間違い探し問題などに取り組む場合、余裕があればただ普通に解くのではなく、空欄を含めた「全体の英文」を使い、英文を作ることを目的とした練習問題を数多くこなすことをお勧めする。

そうすることによって「読む」「聞く」だけではなく、「話す」「書く」を含めた総合的に英語力のアップにつながります。

4.5.4. 自分が使えそうなフレーズと一緒に覚えると効率的!

ここまで、文法を学習する際には、例文を「読み」、「聞き」、「発音し」、「書く」ことで理解を深めることが英文法を理解して使えるようになる1番の近道だということを説明してきました。

どうせ覚えるなら会話ですぐに使える例文を覚えたいものです。

英文法を学ぶ際に欠かせない文法書も同じく「自分に合った例文」が多く掲載された文法書を選んで学習して下さい。

そこで英会話ですぐに使える「活きた例文」が満載の一味違った「文法書」を紹介します。

一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法(東進ブックス

今まで「文法書」と言えば「なんだか難しそう」「硬い」といった出来れば読みたくないという人が多いと思いますが、本書はそんなイメージを一新するような「文法書」というよりも「英文法に関する読み物」といった作りです。

是非文法書は嫌いだから・・と避けないで一度これを使って見て下さい。

まとめ

本記事で抑えておきたい重要な箇所をもう一度確認しましょう。

  • 英会話は中学レベルの英文法からマスターしよう
  • 「知っている」と「使える」文法は違う
  • 徐々に「知っている」英文法を増やす
  • 英文法は身体(聞く、読む、書く、発音)で覚える

以上をきちんと抑えて、今後の英語学習に役立てていただければ幸いです。

それではまたー👋