
勉強しているのになかなかスコアが上がらない・・
TOEICのテスト結果は英検のように合否ではなく、5点刻みで満点である990点までの範囲でスコアとして判定されます。
このような特徴からTOEICはその時点での受験者の英語の実力がかなり正確に表されるテストです。
そしてTOEICの受験を続けている中で、ほとんどの人が経験するのが「スコアの壁」です。
TOEICの不思議のひとつとして、がんばって勉強をして順調にスコアが伸びていっても”一定のスコア”に達するとなぜかそのスコア付近で停滞する期間が続くということです。
私は今まで多くの方にTOEICを教えてきましたが、初めてTOEICを受験するとそのスコアでその人が今までどんな英語学習をしてきたのかが大体わかるようになってきました。
現在TOEICを勉強しているけど、スコアがなかなか伸びない人は是非最後まで読んでいただければと思います。きっとその訳が分かり、解決方法が分かると思います。
Contents
初受験で別れる3つのタイプ

・初受験のスコアが200~300点付近
・初受験のスコアが450点オーバー
・いきなり700点オーバー
✅ 初受験のスコアが200~300点付近
初受験が200~300点付近の人ですが、ほとんどの方がこのタイプだと思います。それまでどちらかと言えば英語は好きではなかった層です。
出来ればTOEICも受験したくないけど必要に迫られて(会社に言われてとか)仕方なく受けている人も多いです(笑)
対策としては当面は中学英語の復習を徹底的にやり直す事をお勧めします。
具体的には中学3年間で教わる文法と教科書に載っているレベルの文章を沢山読むトレーニングを繰り返して行う事です。できれば声に出す音読を行うと効果が増します。
✅ 初受験のスコアが450点オーバー
初受験で450点を超えるタイプです。学生時代は英語は得意科目であり、特に600点を超える人だと、日頃から英会話学校へ通っている方もいます。
よって英語アレルギーはあまりなくやる気もあるけど、どちらかと言えば英語によるコミュニケーション自体が好きなタイプで、”机に向かって辞書片手に勉強”が苦手な方が多い印象です。
そうしたことから英会話が先に伸びるタイプとも言えます。性格もオープンマインドで外国人にも臆することなくガンガン話しかけるので、周りからは「英会話ができる人」と認識されています。
しかし、本人の心の内では言いたい事が沢山あるのに、文法力や語彙がまだ十分でないことによって、英語で表せないフラストレーションがあったりします。
よって多くの場合、TOEICはリーディングよりもリスニングの方が点数が高いのが特徴です。
しかし元来英語のセンスが良いので、TOEICで問われる基本的な文法力と語彙をこの段階でしっかりと腰を据えて学習すれば、本来持っている英語力との相乗効果で600点の壁は軽く超え、700点付近まで一気に到達するケースも少なくないです。
✅ いきなり700点オーバー
いきなり700点(あるいは800、900点)を超えちゃう方も少数ですがたまにいます。
例を挙げれば
・英検で既に2級以上を合格している
・留学経験あり(TOEFL等)
・大学が英文科(受験英語をしっかりと勉強した)
等々、元々英語が得意な人々です。
英会話スクールに通わずともNHKのラジオ講座を何年も聞いている人もこのタイプですね。更に留学等で一定期間英語環境にいた人は圧倒的にこのタイプです。
米の大学入学で必要となるTOEFLの経験者などは、TOEICは随分と簡単に感じる傾向があります。数回の受験で900点を軽々と超える方も多いです。
特に英語学習はしていないので満点にはあまり興味はなく、900点の後半でTOEICは卒業する傾向が多いです。
この様にTOEIC初受験の時点で、それぞれの英語遍歴によってかなりスコアに差が出るということですね。
次に多くの人が直面するTOEICの「スコアの壁」です。
スコアの「壁」とは?

これを読んでくださっている方はすでにTOEICを複数回受験している方々も多いと思います。
TOEICは勉強の仕方を間違えなければ、ある一定のスコア(点数)までは比較的順調に上がって行く傾向があります。
しかし、決して勉強をサボっているのではないけど、あるスコアに達すると何故かその成長がストップしたかのように、そのスコア付近を行ったり来たりする「停滞期間」を経験するケースが多く見られます。
それぞれの壁の突破の仕方ですが、やはり自分の弱点を集中的に学習していくしかありません。すぐに効く特効薬はありませんが、近道ならあります。
本記事内でそれぞれのパート毎におすすめの教材などを紹介していますので、参考にしていただければと思います。
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✅ 最初の壁は600点
多くの人にとっての最初に待ち構える壁はやはり600点近辺です。
と言うのも、このレベルではまだまだ中学レベルの基本的な文法事項があやふやな箇所があります。
加えてテスト形式にまだ不慣れなので、圧倒的に回答スピードが足りなく、絶対に時間内に最後までたどり着けません。
600点の壁を突破する教材
600点を超えられない方によくある傾向として、中学レベルの文法知識が不足しているということがあります。
そのような方はまずはいったんTOEICの教材を脇に置いておき、中学英語をもう一度徹底的におさらいすることを強くおすすめします。
中学 英語を もう一度ひとつひとつわかりやすくはそのような大人のやり直し英語を始めるきっかけとして最適な一冊です。
わかりやすい解説と豊富なイラストで学習者を飽きさせない作りですので、最後までやり通す(これが重要)ことが出来ます。
全ての英文に対応した音声CDも付属しているので、出来れば「音読」もして下さい。この時点でしっかりと音読するクセをつけておくことは、この先も続く英語学習においてかなり有利なことです。
✅ 730点の壁
それ以降に中級者への大きな壁であるTOEICの運営が定める「レベルB」への入り口である730点の壁があります。この近辺で右往左往してしまい辞めてしまう人がかなり多いので、少し踏ん張りどころとも言えます。
TOEICというテストは慣れが非常に大きな要素となりますので、良質な対策本を何度もやるのが王道です。
730点の壁を突破する教材
このレベルになるとある程度の文法力があることから、説明があまり詳しくない公式本でも問題なくやり通せる力はあります。
是非、改訂後に出版されたTOEIC公式本の1〜6までは全てやっておくことをおすすめします。
そうそう、公式本に限らずTOEICの模試をやる際は必ず「何度もやる」ことを忘れないでください。
「何度もやったら答えを覚えてしまうので意味ないのでは?」という声もありますが、大丈夫です。
正解することが目的ではなく、自分が正解だと思った選択肢に対してその理由を説明できるレベルまで自分の中で理解できていることが何よりも重要なのです。
✅ 800点の壁
800点をなかなか超えられない人は圧倒的に量が足りていないことが多いです。
TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問でとことんTOEICの問題をやり倒すことをおすすめします。
質と量を極めるとこんなテキストができるんだと本当に関心しています(笑)
いかにも本番で出題されそうなリアルな問題が大量で加えてそれぞれの解説もかなり丁寧にしてくれています。
さらに正解以外の選択肢に対しても「なぜこれが不正解なのか」という理由にまで言及してくれているのもポイントが高いです。
✅ 900以上の壁
その後は900点、950点、980点などで行き詰まる傾向があります。950点を超えたら卒業してもいいかとは思うのですが・・・・。
ここまでくるとマニアの領域ですね。自分もそうでした(笑)
900点を超えて、「もっとその先へ」と思ったらいっちゃいましょう!TOEIC L&Rテスト990点攻略 改訂版: 新形式問題対応
これまで紹介してきた教材とは一味違うTOEICの満点である990点をとるために作られたマニアックな教材です(笑)。
内容は本番よりも難しいので、900点を超えてから手を付けることをおすすめします。
そして何より990点への熱意がない人だと途中で挫折するかもしれません。
しかしTOEICマニアにとっては「痒いところに手が届く」圧倒的な内容であり、これを何度もやることで今までは霞んで見えていたTOEICの頂である「990点」が見えてくることでしょう。
自分の弱みを知ることが突破のカギ
もちろん、ここでご紹介したスコアの壁というものは厳密なものではなくあくまでも私も含めて今まで多くの相談者の方々や、実際に教えた生徒さん達の傾向ですので、全ての人に当てはまるものではありません。
しかし共通して言えることは「学習の質×量」が全てであり、それぞれの壁を突破する為に必要となる学習時間は個々人によって大きく変わってきます。
あなたが苦手にしている分野は何でしょうか?リスニング?文法?それともリーディングでしょうか?
TOEICの壁を克服するには、自分の得意な分野、苦手な分野を把握しておくが非常に重要となってきます。
自身の克服すべきポイントを明確にして一定期間集中してそれに取り組むことが重要であり、そうしているとある時必ずブレークスルーが来ます。
王道型に壁なし??

今回のTOEIC初受験の3つのタイプとは別のものとなりますが、ある程度受験回数をこなしている高得点者の方々には大きく分けて2つのタイプがあります。
それは本格的にTOEICを勉強する前から総合的に「書く、読む、聞く、話す」といったバランスの良い学習を続けてきた「王道型」と、TOEIC受験を決心したその日から英会話などには目もくれずにTOEICに特化して勉強してきた「特化型」です。
別の記事に詳しく書きましたので参照下さい。
[blogcard url=”http://t2raw.xsrv.jp/2020/02/14/%e3%80%90%e7%8e%8b%e9%81%93%e5%9e%8b%e3%80%912%e3%81%a4%e3%81%ae%e3%82%bf%e3%82%a4%e3%83%97%e3%81%aetoeic900%e7%82%b9%e3%80%90%e7%89%b9%e5%8c%96%e5%9e%8b%e3%80%91/”]
今回の記事でご紹介したそれぞれの「スコアの壁」は、一般的にTOEICのスコアアップを至上命題にしている「特化型」の人々にとっては高く感じられるものです。
一方「王道型」にとってはさほど苦しまないケースが見受けられます。
もちろん「王道型」であれ全くスコアの停滞がない訳ではありませんが、その期間が「特化型」に比べて明らかに短い印象です。
それは今まで英語に触れてきた経験が段違いに「特化型」比べて多いからだと思います。
最後に:目標スコア達成までの時間コストを考える
英会話や英文学などTOEICのスコアアップには直接関係ないように見えるそれらの英語学習ですが、この「スコアの壁」の視点から見れば決して意味が無いと切り捨てることは出来ないとも言えます。
しかし仮に最終目標を「TOEIC900点」とした場合、そこまでに至るに費やした時間の観点から見るとどうでしょうか?
「TOEIC特化型」の受験者がいくつかの「壁」を超えるために費やす時間と、一方、王道ではあるが終わりのない学習(会話、英文の多読、ライティング等)を日々淡々と行う「王道型」が900点までに費やす時間を考えた場合はどうでしょうか?
時間をコストと考えればまずは特化型になって900点をサクッとゲットして希望の職に付いてしまい、その後スクール等で必死に足りない英語力を養う方が効率的ともいえます。
確かにTOEICだけに焦点を当てて勉強してきたので、会話やライティングはもしかしたら周りの期待には十分には答えられないかもしれません。
よって、雇う方にとってはいいのかどうかは分かりませんが、実情はどうであれ”900点”というスコアは事実なのですからあとはその英語力をベースにその業務に必要な英語力を随時養っていけば良いのです。
最後にこれを読んで頂いている皆様も英語の実力もバックグラウンドも様々だとは思いますが、「出来るだけ短期でTOEICのスコアを上げたい」と思っている気持ちは同じだと思います。
今現在どの様なレベルであったとしても何よりも重要な事は、日々目標とするスコアに一歩づつ歩みを進めているかです。
TOEICという試験の良いところは、そのあなたの頑張りにかなり正直に答えてくれるという事です。
今回ご紹介したテキストはやればやるだけスコアアップにつながるどれも優れたものである事をお約束します。
これからも本ブログでは読んでくださった方の為になるようなものを目指していきますので、よろしくお願いします。
ではまた。